時期的要因におけるFacebookのCPM変化

運用型広告における重要な指標の一つであるCPC(クリック単価)。

Facebook広告はMeta社が推奨するIMP課金での広告を配信する際に、
このCPCの上がり下がりを左右するのが”CPM”と”CTR”である。
※用語説明
CPM…コストパーミリオン。1,000インプレション分の費用
CTR…クリックスル―レート。広告の表示回数に対するクリックされる割合。

■そもそもCPM・CPCとは?

FacebookのCPCは以下の数式で計算されます。
・CPCの計算式
CPM÷クリック数(1,000インプレッション分)=CPC

仮にCPMが4,000円で、
1000インプレッション中10回クリックされると以下の計算でCPCが計算できる。

4,000円÷10回=400円

Facebook広告においてCPAを抑えるための一つの施策がこのCPCを抑えることであり、
すなわちいかに安いCPM、かつCTRを高くする必要があることがわかる。

■CPM変動まとめ(2020年1月~2021年12月)

今回はその重要な指標の一つである”CPM”の時期的な変動要因についてまとめました。

図1

※弊社で運用代行中の案件の一部の数値を参考

こちらの表は弊社がクライアントから運用代行依頼されている広告アカウント(全体)のCPM推移をグラフ化したものである。

1年の中で月ごとに変化があり、最高値と最低値では約1,000円程の差がでている状態である。
1年間の平均CPM値が1,730円であるが、この平均値を超えているのが3月、4月、5月、11月、12月となっている。
6月~8月は1年の中でもCPMが低い時期となっており、8月が1,476円の最低CPM値で
6月の1,541円、7月の1,602円が続く形で低いCPM値となっている。

弊社にて代行している広告アカウントだけの数値となるので、
Facebook広告全体のCPM推移とイコールになるものではないことを先に弁解はしておくが、
ここから分かることとして下記傾向があることが推測される。

・決算月はCPMが上がりやすい
決算が多い3月、12月は広告業界ではよくある「年度余り予算の消化」が起こりやすい月であります。各社がこぞって限られた広告枠の取り合うことでCPMやCPCが上がりやすいことが定説ですが、Facebook広告も例外なくそのあおりを受けている傾向と考えられる。

・コロナ感染者数による変動
この2年に関してはコロナにより世間が混乱している状態でしたが、Facebook広告のCPMにもその影響が大いに出ていると考えられます。
日本で初めて緊急事態宣言が発せられたのが2021年4月ですが、他の月に比べ非常に低いCPM数値となっております。その後落ち着きを見せつつ、2021年1月に再度感染拡大したタイミングでCPM値は低下。
同年10月の感染者が急激に減少するまではほぼCPM1,000円前後をキープしていましたが、
緊急事態宣言が解除された10月からは急激にCPM値が上昇しております。

感染者数位により休業に追い込まれる、また経済活動を活発にできないことから
広告活動もそれに応じて消極的になることにより、CPMが下がったことが推測される。

■まとめ

2020年からの2年間はコロナにより、Facebook広告のCPM値が右往左往していたと考えられます。
近年はワクチン接種者の増加や世間のコロナ慣れにより以前よりも影響が出にくい状況になりつつあると考えられます。

業界によりけりですが、コロナ感染者増加のタイミングでも積極的に広告活動を行い集客を実施していた企業はCPMが上昇傾向にあることで”以前は低CPAで集客ができていたのに、直近CPAが上がっている”現象が起きやすい状況になりつつあると思います。

これに関してはコロナ感染者の増加タイミングがイレギュラーな状態であったため、
現状のCPMなどを考慮し、適切なCPAにて集客活動を仕切り直しをする必要がでてくると考えます。